【イノシシと向き合う大学生】地元の人々のために

 

「わなオーナー制度」とは…


 

 

岩本さん:「わなオーナー制度」っていうのは、村外の猟師と困っている農家をうまいことマッチングして、それぞれにメリットがあるようにする仕組みのことです。まだ実現はしてないんですけど…笑

編集部:なるほど。もう少し詳しく教えて頂いてもいいですか?

岩本さん:実は、「狩猟免許持ってて、狩猟したいけどできない」っていうペーパー猟師が首都圏に、けっこういるんですね。そういった人を対象として、農家が場所を提供し、地元の猟友会がレクチャーをするイメージですね。

編集部:なるほど。

岩本さん:罠オーナー制度が獣害対策のモデルみたいになっていったらいいな、というのが今の正直な思いですね。あと、この制度自体は確立できていないのですが、今もちょこちょこ都会から人を呼んでいるんです。わなの見回りをして、もしイノシシがかかってたら解体して食べるっていう企画で。

編集部:え、実際に解体を見られるんですか?私も応募できます?笑

 

岩本さん:できますよ。ぜひ来てください笑。もしかかってなくても、農業体験をして、おみやげにキウイやミカンを持って帰ったりできます。高台から見下ろす海もかなり綺麗ですね。

編集部:いいですね。個人的にめちゃくちゃ興味あります。

岩本さん:ありがとうございます。実際、色々な方に興味を持っていただいてますね。子供むけにこういった教育をしていきたいという親からの需要もありますし。

編集部:いわゆる「食育」ですね。イノシシを切り口に、色々な広がりがありそうですね。


 

なぜ「イノシシ」を追うのか?


 

編集部:なぜ現在の活動をするに至ったのか、教えてください。

岩本さん:高校までは、典型的な野球少年でしたね。ただ、小さいころから生き物は好きで、家でずっとカブトムシを飼っているタイプでしたね。

編集部:すごくイメージできます。

岩本さん:その延長線上で、大学入学当時から、生態学や生態系、生物多様性といった分野に興味があったんですね。それで、2年生の春に一ノ瀬研究会に入りました。

編集部:なるほど。

 

岩本さん:先輩からこのプロジェクトを立ち上げるっていうことを聞いて、最初に思ったのが「神奈川にイノシシいるんだ」っていうことでしたね。ただ、シンプルに、いままで縁がなかった「イノシシ」「獣害」といったことに興味を持ちました。その後、リーダーを引き継いで、今に至ります。

編集部:そうなんですね。活動に対するモチベーションの面では、「興味」から変化はありましたか?

岩本さん:そうですね。何度も石橋地区に足を運ぶなかで、お世話になった方や優しくしてくれた方の力になりたいと純粋に思うようになりましたね。

 

編集部:具体的にお世話になったのは、農家の方ですか?

岩本さん:農家の方や自治会長さんですね。こっちはお邪魔している身で、よそ者が入り込んで畑の中でわーわー調査しているような感じなのですが、そんな中でも、協力的に支えて頂きました。せっかくここまで良くしてもらっているのであれば、何かしら地元に還元・アウトプットしていきたいなという想いが強いですね。

 

編集部:地元の方と交流とかすることが多いんですか。

岩本さん:そうですね。色々と話しますよ。「いついつどこがイノシシにやられた」「最近斜面の下のほうまできてる」「何年前からイノシシから出始めた」とか。あと、「『もののけ姫』なんかつくるからイノシシが人里でてくるんじゃ」とか。

 

編集部:笑。いいですね。

岩本さん:あと、ミカン収穫を手伝わせて頂いたりもしました。何度も石橋に通ううちに、僕らが石橋という土地の魅力にある種取りつかれているのかもしれません。

 

編集部:なるほど。ちなみに、石橋の魅力ってなんですか?

岩本さん:もろもろあるのですが、やはり人のよさが印象的ですね。最初っから柔らかくて、「えーやるのー」じゃなくて、「ようこそようこそ、おねがいしますよ」って感じでしたね。かれこれ付き合い初めて1年半になるのですが、「またやられたから、たのむわー」ってLINEをくれたりもします。

 

編集部:そういった石橋の魅力が、岩本さんの原動力なのかもしれませんね。

岩本さん:はい。ただ、実はまだ僕らの方で捕獲事例はないんですよね。地元の猟師と共同でつくった自作の罠も今仕掛けているので、早い所捕まえたいですね。一頭取れば何か変わるかなと。

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「目指す未来は、バランス」

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