【元日本代表!?医学部!?蹴球部主将!?】究極の文武両道を体現する男、古田京とは【前編】

一つのことだけやってたら嫌になってた


編集部:なぜそこまで成績が良かったのでしょうか。

古田さん:自分では特別なことはあまりしていないと思います。心配性だからテストは勉強しないと不安で、必要以上にやっていたのが良い結果に繋がったのかもしれないです(笑)

 

編集部:おそらく多くの人が一番疑問に思うだろうことは時間の使い方の部分だと思います。それこそ高校の部活も練習時間は長いわけですが、体力面だけでなく時間の使い方、切り替え、などで意識していることはありますか?

生まれつきですと言われたらそれまでなのですが、秘訣や気持ちの切り替え方、2つ3つのことを同時に考えられるなど何かあれば教えてください。

古田さん:一つ確実にあるのは、バランスが良かったことです。さっきの話でも出ましたが、やりたいときにどちらかをやれば良いし、両方あったからバランスよくできていたし、一つのことだけやってたら嫌になってたと思います。それが一つと、もう一つは今まであまり勉強させられてこなかったといいますか、その時の色々な先生の教え方が良かったのか、あまり勉強することにそこまでのネガティブな印象を持っていなかったからこそ、やれてきたということです。

あとは、心配性のところです。学校のテストは皆1・2週間前からちょっとずつやる人が多いと思うのですが、僕は1ヶ月ほど前から勉強を始めないと心配になってしまうためやってしまうのですが、それが良かったのかもしれません。

 

編集部:3週間前からやろうって思っている人は結構たくさんいると思いますが、なんだかんだ結局皆1週間前、3日前、1日前になってしまう。そういう人が多いと思うのですが、そういう人と古田さんの違いはどういうところにあると思いますか?

古田さん:自分でもはっきりとは分かりません…。ただ、自分の中にもう一人トレーナーだったり先生を持つということは自分の中で意識していて、もし先生がいたら自分を客観的に見てどう思うかは時々考えますね。自分のことをうまくコントロールして、甘やかしすぎないことは大事にしています。

それと、今日やらなくても明日やれば良いとか、今日やらなくてはならない、などを見極める力はあるかもしれません。明日やろう明日やろうって伸ばす人もいると思うのですが、それは確実に自分にはないです。今日絶対にやらないといけないことはやるとか、明日やっても良いけど今日やっておいた方がいいとか、客観的にうまく自分を見極められているかもしれない、とは思いますね。

 

編集部:では例えば、明日やろうと思っていることがあって、次の日になってもともとやろうと思っていたこと以外に急にやらなければいけないことができたらどうしますか?

古田さん:そういうことは滅多にありません!

全体を見るために勉強も前から始めているし、全体を把握するために前々からやっているところがあります。だから、急に何かが舞い込んでくるということはほとんどありません。

 


写真撮影者:岡本爽吾

 

編集部:学年、学校が変わってもラグビーという一つのものを一貫して続けられてきて、辞めたいと思ったことはありますか?

古田さん:辞めたいと思ったことはありませんが、フラストレーションが溜まることは色々な場面で多かったです。ポジション的にもチームをまとめる位置にいますが、良い意味でも悪い意味でも慶應の人は自分の意見を持っていて頭も良いです。それが良い方向に転べばいいのですが、それぞれが中心にいたがる風潮が強くて大変でした。それは中学から一貫してありました。

 

編集部:そういう時のコミュニケーションで気をつけていることはありますか?

古田さん:一つは、色々な考え方があるということに気がつかなければならないということです。これは中学の時に学生コーチから教わったことです。

育った環境も違うし、当たり前が人それぞれ違います。そういうのをしっかりと理解して接することを意識してコミュニケーションを取ってきました。

 

編集部:それは高校でもそうでしたか?

古田さん:他人を理解することも意識しつつ、高校の時はこうしようああしようと引っ張りすぎた部分があり、自分が何もかもをやりすぎたという反省がありました。皆自分で考える力があるのにも関わらず、考えることをやめさせてしまいました。

そのため、高3の頃からは皆の意見をどう吸い上げるのか、1人1人がチームの一員だといかに思ってもらうのかを意識するようになりました。

それが大学生まで続いています。大事なところを監督と話して皆の意見を吸い上げながら、バランス良くなったと思っています。

 

編集部:高校の時に言いすぎたと言うこともそうですが、それは良かれ悪かれリーダーシップがあるということだと思います。リーダーシップがそもそもなければ、やり過ぎてしまうこともありませんよね。リーダーシップを発揮できないという人が多くいる中で、古田さんがリーダーシップを発揮できる要因はどんなところにあると考えていますか?

古田さん:小学生の頃小さいスクールでキャプテンを務めていたのですが、そこでずっと嫌われ者になれと言われていました。ありきたりかもしれませんが、それを小学生の頃に言われてからずっと心に残っていたことで、割り切って言ってしまえと意識するようになりました。また、自分がやらなくてはならないことに関して言えば、自分のプレーは比較的評価されてはいるもののそこまで上手いわけではなく、どちらかというと体を張ったり地味なプレーが持ち味です。だからこそ、出来ないプレーが全然あります。それでも、自分が一生懸命やる、バカみたいに勝ちたい姿勢を見せるということは一番意識しています。

 

ラグビーを始めたキッカケ


編集部:ラグビーを始めたきっかけは何ですか?

古田さん:父親に無理やり始めさせられました(笑)

編集部:お父さんもラグビーをされていたのですか?

古田さん:高校生の頃だけやっていたそうです。その小学生のスクールはお父さんコーチがいるようなスクールで、家の近くということもあり父親も一緒にやることになりました。

編集部:初めからラグビーは好きでしたか?

古田さん:嫌いでしたね(笑)休み時間にやる野球の方が好きでした。

編集部:ちなみに、今はどうですか?

古田さん:好きです。

編集部:いつ頃から好きになったのですか?

古田さん:小学校低学年の頃は試合の人数が5人でわちゃわちゃやる感じだったのですが、4年生になるとチームプレーが目立つようになってきて、試合の人数も9人になりました。そこで、みんなで勝つ楽しさを文字通り知るようになりました。そこから勝ちたいと思い始めて、楽しくなっていきました。

 

編集部:今までプレー以外での話をメインにしてきましたが、プレー面においてチームプレーで苦労されたことはありますか?

古田さん:ラグビーは、チーム全体のモチベーションが本当に大事です。緩むとタックルを受けたりすることもありますし、ラグビーはモチベーションの波が多いです。耐える時間が多かったらそれは辛いし、それを試合中にコントロールするのは難しいことです。超興奮と超冷静のバロメーターがあるとすれば、ラグビーは8興奮2冷静くらいが良いと言われています。例えば、(筆者がプレーしている)サッカーであればもう少し冷静が強いイメージです。

10、0だと試合になりませんし、0、10になるとコンタクトで負けます。それをどちらに寄せるか、今のチームの状態がどうなのかを見極め、どうもっていくかがとても大事で、そこは特に意識しています。でもこれは僕だけじゃなくて、どのチームのリーダーもやっていることではあります。

 


写真提供者:慶應義塾體育會蹴球部

自分にしかなれない医者になりたい


編集部:医学部と部活というところで十分大変だと思いますが、それに加えて常に新たなことにチャレンジできるのはなぜですか?

古田さん:色々なことに興味があるからだと思います。色々なことに興味を持てと周りの人にずっと言われてきていて、そういう目線を持つことは大事にしてます。

 

編集部:古田さんの人生において、ラグビーがもつ意味とは何だと思いますか?

古田さん:自分はラグビーで育ち、今のところラグビーしかやってきていませんが、ラグビーから派生してすごく色々なことを考えることができました。ポジション的にもチーム的にも色々なことを考える立場に常にいて、あの人は何を考えているのか、あれはどうなっているんだろう、とあまり人が考えないようなことを考えるようになりました。この考えが今の自分に全て繋がっていると思っています。

あとは、感謝すべきだと思っているのは育った環境です。育った環境が良かったですし、ラグビーを教えてくれる人と出会うことが多かったですが、人間性や考え方はラグビーのコーチが教えてくれました。

 

編集部:大学の4年間でラグビーは一区切りだと伺ったのですが、この先のビジョンはもう既に描かれていますか?

 

古田さん:そうですね、医学部がメインにはなると思います。

ですが、これからも自分の軸はしっかり持たなくてはならないと思っていて、自分が本当に打ち込むもの、自分がプロフェッショナルとなることをこれからは探さなくてはならないと思っています。

そのために、第2のラグビー的なものをまず見つけなければいけないなと考えています。これは、今までの人生で考えれば、ラグビーという大きな1つの軸があり、そこからいろんなところに広がっていって、そのおかげで今自分はとても充実していると感じているためです。今まではラグビーが1つの軸で、それに勉強がついているからお互いが持ちつ持たれつの関係で頑張ってくることができました。今後はその1つの軸は勉強になることだろうと思いますが、詳しいことはまだ未定ですね。色々なことに興味は持ち続けたいです。

 

編集部:最終的に医者にならないという選択肢はあるのですか?

古田さん:なくはないですが、ほとんどの人は医者になりますね(笑)1つのことというよりは、自分にしかできないことを探していきたいです。

うまく言えませんが、自分にしかなれない医者になりたいと思っています。

 

編集部:最終的な将来の夢は?

古田さん:様々なことにチャレンジしたいという気持ちは一番自分の中で大きいです。医学部のある先生が、

人生が豊かというのは、ただ金があるということだけではなくて、色々なことに興味を持ってやっているということだ

と言っていて、その通りだなと思いました。豊かな人生にしていきたいです。

 

→後編に続く

「中途半端だと愚痴が出て 一生懸命だと知恵が出る いい加減だと言い訳が出る」

古田さんが蹴球部に与えた影響とは。後編では、部のメンバーの視点からも古田さんの内面に迫っていきます。記事配信は来週水曜日(2019/1/16)の予定です。お楽しみに!

ライター:代表

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